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IBM、ワールド・コミュニティー・グリッド「スーパーコンピューター」が本来200年以上かかるプロジェクトを2年たらずで完了へ

Tokyo, May 16, 2008   -  (JCN Newswire)   -   世界規模の飢餓に対する懸念が高まる現状を受けて、IBM(NYSE:IBM)と米国ワシントン大学の研究者たちは15日(現地時間)、従来よりも大量に収穫できて栄養価が高く、強い抵抗力を持つ種類の稲を開発するという新しいプログラムを開始しました。

「栄養価の高いコメを世界に(Nutritious Rice for the World)」と名付けられた今回のプロジェクトでは、約100万台にのぼる個人PCのアイドリング時の処理能力を寄付してもらうことにより運営されるIBMの「ワールド・コミュニティー・グリッド(World Community Grid)」が、世界のスーパーコンピューター上位3機の処理能力に匹敵する167テラフロップスのパワーを提供しています。同プロジェクトではコメを原子レベルで研究し、その成果を農家が長い歴史を通じて培ってきた伝統的な交雑育種の技法と組み合わせます。

従来のシステムの処理能力では200年以上かかるこのプロジェクトは、ワールド・コミュニティー・グリッドを活用することで2年以内に完了できるようになります。

フィリピンに本部を置くインターナショナル・ライス・リサーチ・インスティテュート(International Rice Research Institute)の事務局長、ロバート・ジーグライアー(Robert Zieglier)氏は次のように述べています。

「世界では、3つの分野で同時進行的に革命が起こっています。その3つとは、分子生物学および遺伝学、コンピューターの処理能力およびストレージの容量、そして通信です。コンピューター革命により、全世界の科学者たちは、一体化したコミュニティーとして、しかもリアルタイムで、想像を絶するような複雑な問題に取り組めるようになりました。夢のような解決策を見出すことはできませんが、新しいテクノロジーの利用でコメの生産に新たな活力がもたらされます。国際社会は現在、そして将来を見据えて長期的な投資を行わなければなりません。」

ワシントン大学のコンピューター生物学者たちが開発した3次元モデリング・プログラムをワールド・コミュニティー・グリッド上で実行することにより、コメを構成する基本的要素となるタンパク質の構造を研究することができます。構造の理解は、これらのタンパク質の機能を特定する上で必須の作業です。

これによって研究者は、コメの収穫高の向上、害虫に対する防御、耐病性の向上、栄養価アップなどに、どのタンパク質が貢献するかを特定できるようになります。同プロジェクトでは最終的に、コメのタンパク質とその機能に関する最大かつ包括的なマッピングを行い、どの株を交雑育種として選択すればよりよい作物を栽培できるかを農学者や農家が特定できるようにします。

プロジェクトで首席研究員を務めるワシントン大学微生物学部の准教授、ラーム・サムドラーラ(Ram Samudrala)博士は次のように述べています。

「問題なのは、研究すべきタンパク質構造が3万種から6万種ほど存在することです。決め手となるタンパク質の詳細な構造および機能を特定するのに、研究室で行う従来の実験的アプローチを採用していては、とても時間がかかってしまいます。私たちが開発したソフトウェアをワールド・コミュニティー・グリッド上で実行することにより、200年かかる研究を2年以内に短縮することができます。」

米国の国立科学財団からの研究助成金200万ドルで活性化されたこのプロジェクトにより、農業従事者は交雑育種に適した苗を素早く突きとめ、気候パターンの変動に対する抵抗力を強めた「超ハイブリッド」品種を作り出せるようになるため、最終的には稲作を行う国々が将来の気候変動への対応力を高めることにつながります。

3次元モデルの構築で得た知識は、トウモロコシ、コムギ、オオムギといったその他の穀物にも容易に応用できるため、この研究は全世界にとって重要な意味を持ちます。

ワールド・コミュニティー・グリッドに登録された、科学研究の発展を支援するコンピューターの数は来週にも100万台を突破する見込みで、グリッド立ち上げ以来の画期的な節目が目前に迫っています。毎週、何千人もの人々がこのプロジェクトに新たに参加しており、がんやエイズといった疾病を研究するプロジェクトは飛躍的に前進しました。栄養価の高いコメを研究する今回のプロジェクトはグリッド活用の最新事例であり、世界規模の保健に大きく寄与するものと見られます。

IBMのコーポレート・シチズンシップ&コーポレート・アフェアーズ担当バイス・プレジデント兼IBM国際財団理事長であるスタンレー・リトウ(Stanley Litow)は次のように述べています。

「このプロジェクトは最終的に、全世界の農家がよりよい作物を栽培し、飢餓に悩む人々への支援を提供することに貢献します。皆さんが何か大切なことに協力したいと考えているのであれば、自分のコンピューターの空いている時間を寄付することで、今日にでも小さな一歩を踏み出すことができます。ボランティア一人ひとりが、この研究の完成までの時間短縮に貢献し、農家および困窮している人々に大きな変革をもたらすことができるようになるのです。」

コンピューターを持っていてインターネット・アクセスが可能な人なら誰でも、このソリューションに参加することができます。アイドル時間のコンピューター・リソースを寄付する手続きは、Webサイト(*)上で登録を行い、自分のコンピューターにセキュリティーが確保された容量の小さい無償ソフトウェアをインストールすれば完了します。

参加者のコンピューターがアイドリング状態になると、ワールド・コミュニティー・グリッドのサーバーにデータ要求が送られます。次いで、これらのコンピューターは演算処理を行ってその結果を送り返し、次の作業をサーバーに要求します。スクリーンセーバーの表示により、そのコンピューターが利用されているかどうかがわかります。

*Webサイト
http://www.worldcommunitygrid.org

一般公開された既存の人道的グリッドとしては最大の規模を持つワールド・コミュニティー・グリッドは、200カ国以上からの38万人を超える圧倒的な数の参加者を擁し、100万台近いコンピューターを接続しています。ボランティアが提供するコンピューターの空き時間を利用して、科学者たちは研究を迅速に進めることができるのですから、社会の向上に貢献しているのは、他ならぬボランティアの方々と言えます。例えば「AfricanClimate@Home」プロジェクトはこのほどデータ収集を完了し、研究分析がこれから始まろうとしています。

また、ニュージャージーがん研究所(Cancer Institute of New Jersey)は、ワールド・コミュニティー・グリッド上で実施中の「がん撲滅支援(Help Defeat Cancer)」プロジェクトにより、2007年に米国の国立衛生研究所から研究助成金250万ドルを獲得しました。さらに「FightAIDS@Home」プロジェクトは、通常なら5年間を要するHIV/エイズ研究をわずか6カ月で完了しました。以上に加えて5つのプロジェクトがワールド・コミュニティー・グリッド上で展開されているほか、今後も複数のプロジェクトを展開していく予定です。

当報道資料は2008年5月15日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24202.wss

なお、下記URLにて当発表のビデオニュースがご覧いただけます。
http://jp.youtube.com/watch?v=pWTc6GHIR1k

*IBMは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。


概要: 日本アイ・ビー・エム株式会社

世界170カ国以上で事業展開しているIBMコーポレーションの一員。これまでのIT企業の枠を超え、新たな経営モデル「オンデマンド・ビジネス」を提唱し、変革実現を支える先進テクノロジーの提供に加え、ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション・サービスなどの新たなサービスにも取り組んでいます。

URL:
http://www.ibm.com (英語)、
http://www.ibm.com/jp (日本語)





Friday, May 16, 2008 1:16:51 PM
Source: 日本アイ・ビー・エム株式会社 (XETRA: IBM) (LSE: IBM) (NYSE: IBM)
From the Japan Corporate News Network
http://www.japancorp.net/japan
トピック: Corporate Announcement
セクター: IT General

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